ドクター・フーで英語の壁殴り中

英国のSFドラマ”Doctor Who”の小説やオーディオドラマを攻略中

Doctor Who: The Natural History of Fear

 かなり異色な作品。英語弱者の身にはストーリーを把握するのはなかなかキツかったが、オーディオドラマの特性を活かした面白い試みだったと思う 。

The Natural History of Fear (Doctor Who)

The Natural History of Fear (Doctor Who)

 

  

 

把握するまでに何度も聞き直すのはいつものことなのだが、ポール・マッギャンの演技が熱いのでちっとも苦にならなかった。これは私の英語力では把握するのは絶対無理そうだなとは思ったものの、ポール・マッギャン演じる"エディター”と"ドクター”の切り替わり方、行き混じり方がとてもドラマチックだったので、やっぱりちゃんと理解したいと、諦めないで聞き続ける大きな動機になった。

 

Part1

 男と女がドラマを見ていた。ドクターとチャーリーが宇宙を旅をするドラマで、女は特にドクターとチャーリーの恋愛関係を気に入っていた。女が自分もあのような愛を社会に対して感じているというと男が不審そうに“社会に?”と聞き返す。女は男が疑問を持ったことにショックを受けながら、決まり通りコンシャスに直ちに報告する。コンシャスは男を連行し、それまでの記憶を消し、社会に対する忠誠心をもった人格を植え付ける。ライト・シティは疑問を持つことを許さない。コンシャスはこの一件を上司のエディターに報告する。エディターは男が疑問を持ったきっかけを調べ、それが女の側にあることを突き止めると、女をスキャンにかける。

Part2

 女がまだ放送されていないエピソードまで知っていることでコンシャスのカウンセリングを受ける。コンシャスは女を催眠にかけ、記憶を探る。その様子を撮影したものをエディターは女と共に見る。エディターは女にずっと注目していたという。女はエディターが“変化”や“レボリューション”という言葉を口にしたため、コンシャスに通報する。しかし、全てがテストとわかり、女は“良い市民”として解放される。ところがコンシャスはエディターに対して不振を抱く。女が“質問”したにも関わらず、エディターが気がつきもしなかったからだ。後日、コンシャスは外に女を呼び出し、“ずっと愛していた”といい、“君も僕を愛しているはずだ‘というが女は否定する。しかし、コンシャスはライト・シティが思想を操り、自分たちを奴隷としていると話す。放送されているドラマは本当の記憶、ドクターの記憶が使用されているが、大切なメッセージが編集されてしまっているという。コンシャスはそのドクターのオリジナルの記憶が女の記憶の中にあると指摘。つまり女こそがドクターであると。しかし、女は思想犯としてコンシャスのことを通報する。その時の録音をききながら、エディターはコンシャスに尋問する。しかし2人きりになった時、エディターはコンシャスに”革命“を手伝えるといい、そもそも彼が導いてきたのだと打ち明ける。そのためにもドクターのオリジナルの記憶を記録したデータの場所を教えるよう問い詰めるが、コンシャスは笑うばかりで答えない。

Part3

 ライト・シティのビルが爆破され、大勢の死人が出る。エディターはコンシャスに捜査を命じる。エディターはテロリストとして女を追跡する。しかし、エディターに女に捕まり、尋問される。さらに女はライト・シティの支配の外の世界をエディターに見せる。“忘れていることを思い出しなさい“と女はエディターに言う。放送が再開するが、エディターはコンシャスとDJを思想犯として通報する。しかしDJは自殺してしまい、エディターは上部から審問を受ける。

Part4

 女に尋問されるうちにエディターはついに記憶を取り戻す。ライト・シティがなぜこのようなシステムを持つようになったのか、"レボリューション"とエディターの関係、ドクター達に何が起こったのか、すべての謎が明らかになる。

 

 

 ドクターとチャーリー、そして前回仲間入りしたケリーズ。彼らは登場するのだが、彼らにその記憶も自覚もない。チャーリーとケリーズは管理社会ライト・シティの1住人として、ドクターは住人たちを管理する側であるエディターとして登場する。管理する側ではあるけれどもエディターも監視されている。疑問を持つことが許されない社会で違反すればリセットされ、それまでの記憶は消されてしまう。これまでドクターとチャーリーが繰り広げてきた冒険をこの世界のチャーリー、ケリーズ、ドクターは全てドラマでありエンタメだと思っている。

 わかりにくいのは、

実際に会話していると思ったら、それは録音で、それを聴きながら、思想確認の会話をしていて、それがまた録音の再生であることが判明し...と入れ子構造になっている。しかも、どの登場人物にも名前はなく、コンシャス、サブコンシャス、エディター、サブエディター、ナースという役職のみで、役割が登場人物にスイッチしていく。リセットされてやり直した結果ということらしいのだが、違う話が進んでいっているようにみえて結局”質問”をしたことの罪を問われる展開になる。しかし、同じようでいて微妙に何かが進行しているような、同じところをくりかえし回っているような、気をぬくとすぐに物語の中で迷子になってしまっている。

 最初はドクター達が記憶を消され、この社会にとりこまれているのかと思っていた。3人が記憶を取り戻してライト・シティの支配下から逃れる話かと予想したのだが、違った。判明する事実はなかなかショッキングだ。そもそもこれはドクターとチャーリーとケリーズの物語ではなかったということで、ある意味“あ、そうだったんだ”とホッとできるのだが。結局のところドクターではなかったとわかっても、彼の運命はやはりちょっと切ないような複雑な気持ちにさせられる。

 

Happiness through acceptance. Productivity through happiness. Questions are forbidden. Questions lead to answers, answers lead to knowledge, knowledge leads to freedom, freedom leads to dissatisfaction, and dissatisfaction to unhappiness.

 私の好み度: ⭐️⭐️⭐️⭐️/5

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