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Doctor Who : The Blood Cell

ピーター・キャパルディ (Peter Capaldi) 演じる12代目ドクター(2013年〜2017年)とジェナ・コールマン (Jenna Coleman)演じるクララ・オズワルド(Clara Oswald)の冒険。

Doctor Who: The Blood Cell

Doctor Who: The Blood Cell

 

 

あらすじ

危険な犯罪者が収監される星系の辺境に浮かぶ小惑星に建設された刑務所では長らく脱走を試みるものはいなかった。

 

しかし、最近収監された囚人428は懲りることなく何度となく脱走を試み、刑務所長にこの刑務所で誰も気がついてはいないがとてつもなく恐ろしいことが起こっているのでそれを調べろと訴え続ける。しかし、刑務所長は428の脱走深刻には受け止めておらず、他の囚人同様、いずれ諦めるだろうと考えていた。それでも脱走を繰り返す428が他の囚人から慕われていることを知った刑務所長と看守長は、428が他の囚人に与える影響を考慮し、3日間脱獄しないでいれば、刑務所で快適に過ごせるよう望むものを与えるという賭けをするが...。

 

感想

12thドクターとクララが出会ってからほどない頃の冒険談。物語は刑務所長の一人称語りで進行。ドクターは囚人428として登場する。無味乾燥な刑務所しかない惑星で、生命維持装置が壊れれば即、死に直結するような環境。刑務所長の目線では淡々と日々が過ぎていくが、故障を繰り返すシステムや故郷の星と連絡がつかない通信網。すぐに対処するといいながらもいつまでも実現することのない修理事情などの不気味さが常にひっそりとつきまとう。ドクターも自由であるようで囚人として行動を制限されている。ドクターが恐ろしい罪を犯したため、収監されているらしいが具体的な理由もなかなか明かされない。息苦しいような閉塞感と緊張感の中物語は進んで行く。

 誰かを守るため、愛するもののために正しいことしたときほど人は恐ろしいことに手を染めがちである。あの時下した判断は正しかったのか、誤りだったのか、どこで自分は間違えたのか。何を見過ごし、見えていないふりをしたのか。どうすれば、良心に適った行いができるのか。ドクターを含め答えを求め悩み続ける問題。少なくともドクターは悩み続けることをやめない。「千年以上生きていて、自分の行いは正しかったのか間違っていたのか毎日そのことを考えない日はなかったのに、この刑務所に入っていた数週間はそんなことを考える必要が無くて気楽だった」とドクターがいう場面がある。常に悩み続けることがドクターをドクターたらしめているのかもしれないとふと思わされた。これこそが正しい行いと疑いを挟むことが無くなった時に最大の過ちを犯す可能性について描こうとした試みは面白かったと思う。政治、選挙に纏わる抗争や有権者、世論の動きなどそのあたりの関係がすんなりのみこめればスッキリできたのかもしれないが、こちらの不勉強も手伝って、やや不完全燃焼だったのが残念。しかし、ドクターとクララのやりとりは面白く、12thドクターらしさ全開だったので最後まで十分楽しめた。

 

私の好み度: ⭐️⭐️⭐️⭐️/5

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